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2017初買本

by 榊花乃

年の初めには、お年玉を持って、本を一気に買うのが、私のひそやかな恒例行事。

今年は、
「掏摸」/中村文則
「イスラーム文化」/井筒俊彦
「坂の途中の家」/角田光代
「地図と領土」/ミシェル・ウエルベック
「薔薇の名前 上」/ウンベルト・エーコ
「伯爵夫人」/蓮實重彦
の6冊を買いました。

只今買って帰ってきたばかりなので、中身はもちろん読んではいないのですが、帯や装幀などをざっと見た感じ、人間の黒くて熱いところに触れることのできそうな小説ばかりです。小説でないものも1冊あります。「イスラーム文化」は、以前図書館で読んで、これは買い本だと思ったので、買いました。珍しくサスペンスだらけで、自分でも驚いています、去年は恋愛小説が多くて、その中でも不倫の話が多かったような気がします。例えば、窪美澄さんの小説などで、結婚して、マンネリ化して、素敵な人に出会って恋愛してしまう。その時の、葛藤や女としての矜持を描いたものを多く読んだ気がします。だけど、分厚さに圧倒されて手に取った、中村文則さんの「教団X」を読んだ次に、友人との会話の中で町田康さんを思い出す時があって、町田康さんの「告白」を読むと、もうなんだかそうゆう圧倒的な人間の酷だったり、苦しみや欲や、それらを人間味とまとめて、その美しさだとかに、もっと触れたい、そう思うようになりました。そして今年の初買いの本が、以上のような、酷のあるサスペンスになったという運びです。川上未映子さんの「あこがれ」や西加奈子さんの「円卓」をふと、思い出しますと、私の脳みそは、サスペンスという分野の芸術についていけるのかと、不安になりますが、頑張ってくるよ、そんな感じで、太陽のかほりのする草原のような暖かい小説に手を振り、美しいどろどろに手を触れて見たいと思います。もしかしたら、想像しているような小説ではなく、鋭さやスピード感をもっているかもしれないし、潤いやツヤをもっているかもしれないし、とにかく読んで見ないとわからないので、読みたいと思います。

あと1つ、今年の初買いで気がついたのは、新しい本を買うわけではないのだなということです。まずは、去年の本。今までは、本はいくらでも読めるような気がしていたけど、働けばゆっくりと本を読む時間を取れなくなって、読める本の数も限られるのだろうなぁと予想しました。そうなると本屋の本棚を見たときに、どれを読みたいか、次に読めばいいや、では読みきれなくなるかもしれないから、しっかり吟味する必要があると思いました。次に、古い本。私は本のたくさんあるこの時代に生まれて本当に良かったなぁと思います。本屋に行けばたくさんの本があって、それでも世界にある本のほんの一部に過ぎなくて、いくら読んでも追いつかないほど本があるのは、有難いことだなぁと改めて感じました。

以上が、私の2017年の初買本に際して思ったことです。
今年もいろんな本に出会えると思うと、うれしい。


榊花乃
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