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秘密のSex Pistols。

by 榊花乃

高校の頃まで使っていたパソコンを開くと、眠っていた音楽たちが息をし始める。首の後ろあたりから、体に溶け込んで来て、私は、きゅっと目を閉じた。ハープを撫でる指がなんとなくみえる。ビョークの歌声とハープは、もはや、1つの命になっている。だとしたら、ハープは彼女のまつげかな、そんな気がする。

初めて買ったニナリッチの香りは、中学生の私には、どろっと甘ったるすぎたことを思い出す。今では、バニラの香りは、居心地の良い甘ったるさになったのだから、私も多少は、大人になったのかもしれない。葉っぱの形をした銀の蓋をなくしてしまったけど、赤いリンゴの形をしたその香水は、特別な香水としてずっとある。大人の女性に憧れるも、走って走って汗をかいた私に必要なのは、明確にエイトフォーだったね。と、全然減っていない、香水瓶を見て思う。

中学生の頃、好きな音楽は立派なアイデンティティだったように思える。マジョリティに対する憧れが強かった当時の私は、そのころ流行っていたJ-Popもちゃんと聴いてたけど、ダンスの先生の車でかかっていた外国のROCKの気持ちよさもこっそりと覚えていた。いくつかアルバムを貸していただき、ウォークマンに入れて持ち歩いた。一緒に聴いたり、ウォークマンの楽曲リストを見せ合うのがおしゃれだったあの頃、私は、自分のウォークマンに入っている「SexPistols」の文字をからかわれたことがあって、それ以降、それがなんだか少し恥ずかしかった。みんなは子どもなんだから、って思って大人ぶって見ても、そこまでませることはできず、やっぱり恥ずかしかった。

今日は、その気持ちいいROCKたちを、iTunesにいれた。残念なことに、結局これらの音楽に詳しくなることはできなくって、私の中でこれらの音楽たちは、「外国の音楽」というざっくりとしたカテゴリーにまとめられている。大変失礼な状況だ。
これからはひとつひとつ美味しく、有り難くいただいて、ちょっとググって見たり、ずっと気になっていた古書店の古い雑誌ともしかしたらリンクするかもと思って開いて見たりしよう思う。



榊花乃
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