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映画『プール』

by 榊花乃

とても好きな作品の一つである、
映画『プール』
をご紹介いたします!

物語は、ベリーベリーショートの少女、サエが、タイのチェンマイのゲストハウスへ訪れるところから始まります。

この映画では、
そこに住む人たちの、数日間を覗くことができます。

特に何か事件が起こるわけでもなければ、
問題があるわけでもなくて、だけどないわけでもない。

んーというより、日本人が見れば、問題もあるし、問題解決もあるんです。

だけど、そこは、タイのチェンマイ。
ゆるやかな風にそっと木が揺れ、
サンダルのパタパタという音だけが聴こえてきます。
その雰囲気は、問題という概念と問題解決という概念を持たせません。

そこでは、特に、欲が見えません。
忙しく活発な毎日を過ごしているわけではないのですが、毎日満足しているようにみえます。

歌いたくなったらギターを持って、
眠たくなったら寝る。

服が汚れたら洗って、そして、干す。

洗濯バサミの
パチリ、パチリ
という音もとても気持ち良さそうです。

キョウコは、こう言いました。
自分の好きなことをしている。
と。

誰のためでもなく、自分のしたいことをする毎日。
だから、そこには、大した社会はありません。
だからこそ、とても人間らしい。

他の方のレビューには、批判的な意見も多くありました。
かもめ食堂 や めがね と比べることで、
プール は、必要ない。 や、
食事も美味しそうでもない。 などなど。

私はその批判について、こう考えました。

大事なのは、そこがタイであるということかもしれません。
あの清々しい空気の中、どんな料理をおいても、なんだかパサつきを感じてしまうような気がするし、
そもそも私は、タイの料理を食べた時、見た目を裏切るスパイシーさにやられた経験があります。
それからプールは、必要です。ビーの話す日本語がとても愛らしいし、社会適応能力より人間らしさが大切なこの空間は、忘れちゃいけないものを教えてくれる気がします。

うまくまとまりません。
言葉にするのは、難しい作品で。

だからこそ、みてほしいです。
だからこそ、何度も見ちゃいます。




榊花乃
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